the Letter はじめてみました
なんとなく、the Letterをはじめてみることにしました。
なんとなく、と書いたけど、理由はいくつかあって、ひとつはライターの小川たまかさんがやられていたからです。
小川さんは2019年夏にわたしとわたしの作品『光の祭典』を取材してくださって、その際にいろいろなことをお話しました。(関係ないけど、この文章を「させていただく」構文抜きに書こうとしたらすごく大変でした、「させていただく」が身についてしまっていることに10年という時間の重みを感じます…10年前はみんなさせていただくなんて言ってなかったよね、EXILEしか言ってなかった)(話に戻ります)
たまかさんの取材はたった一度だけだったけれど、たまかさんの存在はわたしの心にずっと残っていて、それで、たまかさんのやられているthe Letterもいつかやってみたいと思っていたのでした。
the Letterは人気のようで、登録申請してから一年ぐらい経ってから「登録できました」というメールが届きました。それをまたずいぶん放置してから、今日ようやく、はじめてみる気になって、これを書いています。
それから、ここでなら、わたしの書きたいことを書いても、なんとなく、許されるのかなという気になっていて。それもはじめてみることにした決め手でした。
ツイッターという場所はどうしても2ちゃんねるの流れを汲んでいるから、女性の権利、なんて言うだけで、女性器を貶めた呼び方で呼ばれたり、する。そういうリプライが飛んでくる。自分にこなくても、飛んできたのを見たりする。そのたびに、口を抑えられている感覚になる。実際、思っていることをしゃべらなくなる。ネットの中でも、現実でも。
2019年に劇団を休止して東京から神戸へ帰ってきたとき、わたしには家の周りに一人の友達も知り合いもいなくて、ネットを介して友達と連絡を取り合うようでいて、その実ネットの知らない人の言葉ばっかり見ていたせいか、知らない人のわたしを傷つける言葉に、とても影響を受けてしまった。
劇場ではわたしはすごく自己効力感が湧いて、自分の努力で何にでもなれる、って確信があった。だからいろんな物語が書けた。でも今は、書くことが怖くなってしまった。
演劇の戯曲なら書ける。だって演劇には俳優と観客がいるから。劇作家にはどちらの顔も見えている。演劇は劇世界を通した、生身の人間と人間のコミュニケーションツールだから。だから、安心して、わたしの世界を委ねられる。
去年は2作品、gekidanUで書かせていただいて(あ!出てしまった、「させていただく」構文)夏にやった公演『リアの跡地』はその後、手直しをして、北海道戯曲賞の最終候補になった。冬にやった『おいてきぼりの桜の園』も、もう少したくさんの人に届けたくて、今、直しをしている。
こんなふうに、演劇の戯曲だけは、まだ物語世界とわたしを繋いでくれている。でも、小説だったり、エッセイだったりは、だめ。すごく怖くて、書きたくないって泣きながら机に向かって、全然書けなかったりする。怖くて震える。顔が見えない読者に向かって書くことが、本当に怖い。
だけど、いつまでも見ず知らずの人間に口を塞がれてていいのかな。その手をどけろって、もはや書いた本人も忘れている言葉で、息が止まり続けていいのかな。そう思ったので、リハビリを兼ねて、the letterに日記を書くことにしました。顔の見えないあなたに向かって。
どれだけ続くかわからないし、たぶん、書いたとしても、なんでもないことばかりだけど。お付き合いいただければ嬉しいです。
GekidanU さよならアトリエ公演『誕生日がこない』2022年1月(撮影:佐々木啓太)
よしもとみおり
おしらせ① はじめて京都の劇場で演劇をやります。関西の劇団・コトリ会議の、山本正典さんが雑誌「せりふの時代2021」に書き下ろした短編『すなの』の上演に出演します。演出は泉宗良(うさぎの喘ギ)、出演は葭本未織・田宮ヨシノリです。日程は2022年3月5日(土) 〜3月6日(日)。 京都駅から東福寺方面へ徒歩15分のTHEATRE E9 KYOTOにて。
②劇団TremendousCircusさんにて脚本・演出をつとめます。完全新作です。日程は2022年9月28日(木)~10月1日(日) 。阿佐ヶ谷シアターシャインにて。つきましてはオーディションを開催いたしますので、ご応募お待ちしております。楽しい時間を一緒に過ごせますように。
追記 こんなにいい天気なのに戦争が始まってしまいました。飼い犬のロビンが軽いてんかんを起こして、あたふたした少し後に、iPhoneに速報が飛び込んできました。どうすればいいんだろう。どうしたら。
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